セカンドハーベスト京都の活動報告
【目 次】
1.こども支援プロジェクトとは
2.2025年度冬休みのこども支援プロジェクト
3.冬休みに向けた準備
4.出荷当日の様子
5.申込み者の声
6.来年度の課題
7.理事長より、ご協力いただいた皆さまへ
全ての工程の中でもっともパワーが必要なラインの最終部門。黙々とまるで餅つきのような息の合わせ方でヒョイヒョイと15kgの箱を積み上げていかれるボランティアメンバー。
終わってから「ちょうどええ運動でした」って💦 凄いですね。
1.こども支援プロジェクトとは
本プロジェクトは、「夏休みや冬休みなどの長期休暇明けに、痩せた様子で登校してくるこどもたちがいる」【動画】という声を、学校関係者の方々から繰り返し伺ったことをきっかけに、フードバンク団体として何ができるかを考え、取り組みを開始したものです。
支援の対象は、京都府内の公立小学校に通う児童がいる家庭のうち、就学援助を受給しており、かつ生活保護を受けていない「準要保護世帯」としています。生活保護を受給していない世帯の中には、本来は受給要件を満たしていながらも、さまざまな事情により制度につながっていない家庭が少なくありません。さらに、ひとり親家庭においては養育費を受け取っていないケースが多数を占めており、こうした状況が「こどもの貧困」を一層深刻化させています。
私たちの支援が、すべての課題を解決できるものではないことも自覚しています。場合によっては、応急的な支えに過ぎないと映るかもしれません。それでも、日々の生活の中で空腹や不安を抱えるこどもたちのつらさを、少しでも和らげ、ひとときでも笑顔につながる支援を届けたい――その思いから、私たちは「ハチドリの一雫」のように、できることを積み重ねながら、このプロジェクトに取り組んでいます。
2.2025年度冬休みのこども支援プロジェクト
夏休みに続く取組として、各市町教育委員会のご協力のもと実施しました。実施校数は、京都市29校(全165校中・実施率17%)、宇治市13校(全22校中・実施率59%)、八幡市8校(全8校中・実施率100%)、宇治田原町2校(全2校中・実施率100%)となり、各地域の学校を通じて支援を届けることができました。
一方で、学校や企業等からフードバンク団体へ寄贈される食品は全国的に減少傾向に
あり、本事業においても十分な寄贈量を確保することが難しい状況でした。そのため、不足する食品については、皆さまからお寄せいただいた寄付金を活用し、必要な食料を購入することで対応しました。提供した食品は全45アイテムで構成され、そのうち35アイテムが購入による仕入れ品となり、これまでの取組の中で最も仕入れ品の割合が高い構成となりました。支援量としては、夏休み期間には1世帯あたり約17kg、冬休み期間には約15.2kgの食品を届けています。

3.冬休みに向けた準備

11月下旬から12月初旬にかけて申込み受付を行い、本年度の目標である1,200世帯を対象に取組を進めました。お米については、昨年度から政府備蓄米のフードバンク向け割当を受けており、大きな支えとなっています。一方で、備蓄米は10kg袋が3袋入った箱単位で納品されるため、各世帯にお届けする5kg単位へと入れ替える作業(リパック)が必要となります。これまで自動化設備の導入も検討してきましたが、設備費用が非常に高額で、設置スペースも大きいため、現時点では導入に至っておらず、作業はすべて人力で行っています。この米の仕分け作業については、毎回、京都DARCの皆さまに全面的なご協力をいただいており、今回は合計約6トンもの米を、3時間×3日間という短期間で仕上げてくださいました。多大なご尽力に、心より感謝申し上げます。

 また、12月20日の一斉出荷日に向けて、10日頃からは倉庫をプロジェクト体制に切り替え、追加の作業スペースも確保しながら、通常業務と並行して準備を進めました。プロジェクト期間中、セカンドハーベスト京都(以下、2HK)事務局が管理するタスクは170項目を超え、漏れのない運営を行うため、毎朝一つひとつ確認しながら作業を進めました。
4.出荷当日の様子
12月20日(土)当日は天候が心配されましたが、幸いにも雨は降らず、比較的温暖な気候の中で出荷作業を行うことができました。しかし当日朝、近鉄祝園駅近くの踏切において、車と電車が衝突し車両が炎上する重大な事故が発生しました。ニュースでご覧になった方もおられるかと思いますが、この影響により交通網が大きく混乱し、各地から集まる予定だったボランティアの移動に支障が生じ、約20名が作業開始時刻に間に合わないという事態となりました。
いつも受付がいっぱいになってしまうのですがこの段階では心配になるほど。
さらに、季節柄インフルエンザの流行も重なり、当初予定していた人数の約70%で作業を開始せざるを得ない状況となりました。限られた人員の中でも作業を止めることはできないため、ライン作業の要員および食品供給担当を優先的に確保し、ダンボールの組み立てについては、開始前から2HKのボランティアが対応に入り、先行して作業を進めました。一方で、使用済みダンボールの処理に十分な人員を配置できないなど、厳しい運営条件の中でのスタートとなりました。
ラインがなんとか動き出しました!
その後、開始から約30分遅れて、交通手段を切り替えるなどして駆けつけてくださった各校・各企業のボランティアの皆さまが次々と合流し、体制が整っていきました。作業開始当初は約20分の遅れが生じていましたが、最終的にはこうした悪条件にもかかわらず、前回と同様の所要時間で、すべての出荷作業を完了することができました。
この成果は、状況に応じて柔軟に動き、最後まで力を尽くしてくださったすべてのボランティアの献身があってこそ成し得たものです。心より感謝申し上げます。【動画

5.申込み者の声
今回の申込み時に利用者の皆さまが記してくださったコメントには、日々の生活の厳しさと、支援を必要とする現実が率直に表れています。以下に、その一部を共有します。


「給食のない長期休みや毎日が来る事がすごく不安です。お腹一杯食べて欲しいのに、思うようにしてあげられないのが本当につらいです。」


「給食がない冬休みが怖いです。三連休の時ですら、食費のことで心が潰れそうでした。」


「お米が高くて、何ヶ月も購入できていません。」


「物価高の中、切り詰めて生活していますが、育ち盛りの子どもたちが満足にご飯を食べられません。」


「私はフルタイムのパートをしながら、休みの日も働いています。それでも、満足に子どもたちにご飯を食べさせてあげられないのが本当に情けないです。」


「(こどもたちに)ごはんも、おかわりはなしでお願いしています。」


「食べることを我慢させるのは辛いですが、心の中では『これ以上食べないで』と悲鳴をあげています。」


「スーパーに行っても、やっとモヤシをたくさん買って野菜炒めを作るくらいで、モヤシに助けられています。」


「ひとり親で、物価高のため、お米などを満足に食べさせてあげられない状況です。」
「昨年、夫が急死し、いまだに母子手当や遺族年金も受け取れておらず、大変苦しい毎日を送っています。」

 

一般家庭でさえ物価高の影響を実感する今、本プロジェクトには多数の切実な声が寄せられました。ここに紹介したのはそのほんの一部にすぎませんが、低所得世帯が複数の事情を抱えながら、厳しい生活を余儀なくされている現状が、これらの声から伝わってきます。

6.来年度の課題
今年度は、寄贈食品が十分とは言えない状況にありながらも、多くの市民・企業・行政の皆さまのご支援により、仕入れのための資金を確保することができました。その結果、提供する食品内容について大きく悩むことなく事業を実施できた点は、今年度の特筆すべき成果であったと考えています。
一方で、次年度に向けては、事業を継続的に支えるための資金的な裏付けが現時点ではほとんど見通せておらず、不安を抱えたまま年度を迎える可能性があります。安定的な財源の確保は、引き続き大きな課題です。また、作業会場の規模と環境も深刻な課題となっています。本プロジェクトを希望する家庭は、京都府内で約4,500世帯にのぼると見込まれていますが、現状ではその約25%にしか食品を届けることができていません。今後、より多くの家庭に支援を届けるためには、出荷作業を行う十分なスペースの確保が不可欠です。とりわけ、近年の猛暑を踏まえると、夏季の過酷な作業環境は何としても回避すべきであり、安全で適切な作業会場の確保は喫緊の課題です。しかしながら、こうした条件を満たす会場は数年にわたり探し続けているものの、いまだ見つかっておらず、極めて難易度の高い課題として横たわっています。
本プロジェクトを開始して以来、毎年のように翌年度の明確な予算的根拠がない中でも、「〇〇〇世帯に届けるんだ!」という目標を掲げ、強い使命感と覚悟をもって走り続けてきました。結果として、これまで世帯数の目標を大きく下回ることなく事業を継続できてきたことは事実です。しかし一方で、常に次年度の見通しに不安を抱えながらの運営が続いており、持続可能な事業運営の仕組みづくりが、これまで以上に求められています。
いつもより少ない人数でやりきったボランティアメンバー。皆さまお疲れ様でした m(_ _)m
7.理事長より、ご協力いただいた皆さまへ
本年度のこども支援プロジェクトは、食品寄贈の減少や物価高、猛暑の中の厳しい作業環境など、多くの困難を抱えながらの実施となりました。それでもなお、この取組を最後までやり遂げることができたのは、日頃より支えてくださっている市民の皆さま、企業・団体の皆さま、行政関係者の皆さま、そして現場を支えてくださった多くのボランティアの皆さまのご理解とご協力があってこそです。心より感謝申し上げます。
申込み時に寄せられた多数の切実な声は、私たちに「この活動を止めてはならない」という強い責任と覚悟を突きつけるものでした。一方で、現場の準備や出荷作業、想定外の事態への対応を通じて、支援の輪の力強さと、人が支え合うことの尊さを改めて実感する一年でもありました。
私たちの活動は、社会が抱える課題のすべてを解決できるものではありません。しかし、目の前で困難を抱えるこどもたちや家庭に対し、今できる支援を確実に届け続けることには、大きな意味があると信じています。これからも「食」を通じて、孤立を生まない社会、こどもたちが安心して育つことのできる地域づくりに、愚直に取り組んでまいります。
今後とも、こども支援プロジェクトならびに2HKの活動に、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
         認定NPO法人セカンドハーベスト京都 理事長 澤田 政明
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