4.編集後記
2HKは10年前に長期事業計画を立てた際のメルクマールは達成してきており、資金面も含めほぼ計画通りではあったのですが、他県の大規模フードバンクと比べると、同じ創立10年目の段階でも京都の食品取扱量は大きく見劣りします。京都府内で活動するフードバンク団体すべての量を合計しても、先行地域の数分の一にとどまっているのが現状です。その背景には、地域産業の構造や食品メーカーの本社・製造工場、物流拠点、港湾の立地といった地域特有の産業構造が影響しており、寄贈食品が集まりにくいという地域性があることは間違いありません。 しかし一方で、京都府内の困窮世帯比率は全国平均よりやや高い水準にあります。 つまり、「寄贈食品は少ないのに、支援を必要とする人は多い」という深刻なねじれが続いているのです。本来、生活困窮に陥る人を生まない社会を目指すことは、言うまでもなく重要です。しかし、その実現にはまだ時間がかかり、政治や行政への働きかけも継続していく必要があります。それでも、今この瞬間にも、公的支援にすらつながれていない「困っている人たち」が確実に存在しています。
来月から、2HKでは冬のこども支援プロジェクトの準備が本格化します。アンケートに寄せられる
「こどもに我慢をさせたくない」
「つらい思いをさせて申し訳ない」
という声に触れるたびに、「もっと届けたい」「もっと集めなければ」という思いが強くなります。
しかし現状、このプロジェクトの支援が届いているのは、必要とする世帯のわずか2割にすぎません。この事実は、私たちの前に立ちはだかる大きな壁の存在を如実に物語っています。
この壁をどう乗り越えるのか。乗り越えられるのか。
自問自答は、まだしばらく続きそうです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。【文責:澤田】