セカンドハーベスト京都の月例活動報告

事務局より
  みなさま、こんにちは。春の訪れとともに、新たな節目を迎える季節となりました。日頃よりセカンドハーベスト京都の活動にご支援・ご協力をいただき、心より感謝申し上げます。

多くの企業・団体・個人の皆さまから温かいご支援をいただき、食品の提供活動を行うことができました。物価高騰の影響で生活に困難を抱える方が増えるなか、食料支援の重要性がますます高まっています。

本通信では、1ヶ月の活動報告とともに、パートナー団体の声や、私たちの取り組みを支えるアドバイザーをご紹介します。引き続き、すべての人に「食べる」を届けるため、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

目 次
 1.副理事長コラム 井本博之
 2.最近の活動紹介
 3.パートナー団体紹介 亀岡市生活相談支援センター
 4.お知らせ(ニュース&トピック)
 5.アドバイザーご紹介 浅利美鈴さん
 6.編集後記
1.副理事長コラム
 皆様には、日頃よりセカンドハーベスト京都の活動にご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
昨年12月21日に実施した「こども支援プロジェクト」のアンケートには、158件の回答が寄せられました。(※後日、調査の詳細はあらためて事務局のほうより発表の予定がございます)

「当プロジェクトにどれくらい満足していますか?」という問いに対し、「満足・やや満足」と回答した方が100%を占め、支援の意義を改めて実感しております。

一方で、アンケート結果からは、支援を必要とする家庭の厳しい経済状況も浮かび上がりました。「1ヶ月間のおおよその世帯収入」に関する回答では、

 

 15万円未満 … 29%
 15万円以上25万円未満 … 43%
 25万円以上 … 28%


と、世帯年収300万円未満の家庭が全体の72%**を占めています。

今回、私は特に「子どもの体験活動」に関する質問に注目しました。
「この1年間で、子どもが定期的に参加している学校外の体験活動(習い事など)はありますか?」という問いに対し、「何もさせていない」と回答した方が19.6%。つまり、約5人に1人の子どもが、何の体験活動にも参加できていない現状が明らかになりました。

さらに、「やらせてあげたい体験活動はあるが、現在できていない主な理由」を尋ねたところ

 

 金銭的理由 … 62%(「月謝が払えない」「用品費が出せない」など)
 時間的理由 … 17%(「送り迎えの時間がない」など)


という結果でした。

また、体験活動がある家庭でも「できるだけ自宅でできることや、無料で参加できるものを探している」といった回答が多く寄せられました。

アンケートの自由記述には「余裕がない」という言葉が何度も記されていました。
親は日々の仕事に追われ、経済的な問題だけでなく、体力的・時間的にも疲弊している様子がうかがえます。

子どもたちが豊かな体験活動をする機会を制限されることは、将来の学習能力や社会的スキルの発達に大きな影響を及ぼします。 そして、この状況が親から子へ、さらには孫の世代へと連鎖し、貧困の固定化につながる可能性もあります。


食品支援を通じて家庭の負担を軽減することは、経済的な余裕を生み出し、子どもたちがより多くの体験の機会を得ることにもつながります。こうした支援の積み重ねが、貧困の連鎖を断ち切る一助となると考えています。引き続き、皆様のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。


副理事長 井本博之

2.最近の活動紹介 
 

①主な活動

・2月11日はみやこメッセで実施された「第5回SKYボランティア見本市」に
この度初出展致しました。
主催の公益財団法人京都SKYセンター様はシニアの健康と生きがいづくりの推進と
自主的な活動を支援される団体です。フードバンク業界を見渡してみますと、15年~20年活動されているような団体では当にシニア層が中核を担っておられる姿をみていますので、セカンドハーベスト京都でも今は数名ですが、ここで新たな出会いがあれば・・・と期待して・・・
 
②活動データ(2025年2月):寄贈受入量 2.74トン 分配量合計 2.6トン
◆食品寄贈企業団体(順不同敬称略):京都生活協同組合、弁護士法人賢誠総合法律事務所、コストコホールセールジャパン株式会社 京都八幡倉庫店、有限会社みやこ、テルウェル東日本株式会社、株式会社島津製作所、生長の家京都教化部、大倉産業株式会社、公益社団法人日本非常食推進機構、国土交通省近畿地方整備局京都国道事務所、カルゲン製薬株式会社、特定非営利活動法人フードバンク関西、南山城学園 グループホーム支援室、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社、以上14事業所
 

◆フードドライブ協力企業団体事業所(順不同敬称略):エニタイムフィットネス宇治小倉店、エニタイムフィットネス城陽寺田店、エニタイムフィットネス長岡京友岡店、コープさがの、コープパリティ、コープ宇治神明、コープ山科新十条、コープ祝園駅、コープ城陽、コープ醍醐石田、コープ男山、コープ桃山、コープ二条駅、つみき児童館、株式会社KTGホールディングス、株式会社島津製作所、株式会社平和堂フレンドマートMOMOテラス店、株式会社髙島屋京都店、京都市樫原児童館、京都市境谷児童館、京都市桂川児童館、京都市桂東学童保育所、京都市桂徳児童館、京都市上里児童館、京都市西京児童館、京都市川岡東児童館、京都市大枝児童館、京都市淀児童館、京都市嵐山東児童館、桂児童館、桂東児童館
公益財団法人京都YWCA、松陽児童館、新林児童館、大原野児童館、南山城学園 グループホーム支援室、福西児童館、有限会社スタジオアイ、洛和会ヘルスケアシステム、

以上39事業所

 

◆個人寄贈者:8名
◆フードバンク事業分配件数:47件 
◆食のセーフティーネット支援件数:13件

3.パートナー団体紹介 
 
セカンドハーベスト京都の食のセーフティーネット事業(生活にお困りの方が相談機関で食の支援が必要と判断された場合、セカンドハーベスト京都が支援要請を受け食料を提供する事業)でご協力頂いている、亀岡市生活相談支援センターをご紹介します。
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団体名称:亀岡市生活相談支援センター
代表者職名:センター長
代表者名:大下一美
事業概要:亀岡市の方で生活にお困りの方が、お気軽にご相談いただける窓口を開設しています。センターが中心となり、関係機関と連携して相談に応じ、相談者の状況や意向に応じて支援を行います
住所:亀岡市安町釜ケ前23番地5
開所日時:毎週月曜日~金曜日の午前9時から午後5時まで。
     ただし、土曜日・日曜日、祝日、12月29日から1月3日は除きます。
利用対象:おもに生活保護に至る前の生活困窮者で、本事業による支援が必要である方。
利用申込:不要 相談料は、無料です

【事業について】
1.    運営を受託されている事業所名:社会福祉法人全国手話研修センター
2.    スタッフの人数:3人
3.    毎月の利用者:毎月全体でのべ230件程のご相談があります。
4.印象的なエピソードまたはスタッフの方の仕事のやりがいなど

最初はうつむき加減に小さな声で話されていた方が、次第に顔を上げ、目と目が合うようになり、ご自身の思いを話されて、最後は少し前を向いて笑顔で帰られる姿を見送る瞬間に、やりがいを感じます。

 
5.セカンドハーベスト京都に望むことなど

いつもお世話になりありがとうございます。届いた段ボールを開けた途端、セカンドハーベスト京都スタッフの皆様方のぬくもりが感じられ、相談者さまはもちろんですが、私たちもあたたかな気持ちになります。これからも長く支援が続きますことを願います。

4.お知らせ(ニュース&トピック) 
 

①農林水産省は令和7年度分として「フードバンクへの政府備蓄米の無償交付」を決定し、セカンドハーベスト京都にも14トンの交付決定通知書が先ごろ届きました。これにより、今年は米を購入する必要がなくなり、大変ありがたく思っております。発表のタイミングも非常に良く、安心いたしました。

フードバンク発祥の地であるアメリカでは、政府が農産物を買い取り、フードバンク団体に提供し、それを支援活動に活用する仕組みが整っています。今回の「米」の交付は、そのアメリカのモデルに倣うような形になったと感じています。

②2025年、Daigasグループ カフェテリアプラン社会貢献クラブ様より、弊団体へご寄付をいただきました。また、オンラインにて目録贈呈式を開催していただきました。

Daigasグループの皆様には、ご寄付だけでなく、こども支援プロジェクトの出荷作業へのご参加や、他企業とのご縁をおつなぎいただくなど、多方面にわたりご協力を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。
本年が最後のご支援頂ける年となるかと思いますが、皆様の温かいお気持ちを大切にしながら、この1年の活動に精一杯取り組んでまいります。
5.アドバイザーご紹介
 

セカンドハーベスト京都では、さまざまな分野の専門家の方々から貴重なアドバイスをいただいています。今回は、総合地球環境学研究所の教授 浅利美鈴さんをご紹介します。

浅利さんとのご縁は、セカンドハーベスト京都設立以前にさかのぼります。理事長の澤田がNHK「クローズアップ現代」を見ていた際、真夏の暑さの中、若い女性が汗だくになりながらごみを分別し、インタビューに答えている姿が強く印象に残ったことがきっかけでした。その女性こそが浅利さんであり、感銘を受けた澤田がご挨拶に伺ったことで、交流が始まりました。

当時、浅利さんは京都大学の准教授を務めており、災害被災地で活動するセカンドハーベスト・ジャパンと京都大学をオンラインでつなぎ、支援現場へのインタビューを実施。また、大学生協の軒先でフードドライブを開催するなど、京都では先駆的な取り組みを行ってくださいました。さらに、セカンドハーベスト京都のシンポジウムでは会場の手配をはじめ、京都大学のイベントで分科会を開催する機会を提供してくださるなど、多方面でご支援をいただいています。


長年勤められた京都大学を退官後は、洛北にある大学共同利用機関法人人間文化研究機構 総合地球環境学研究所(地球研)の教授に就任。さらに、元京北第一小学校をリノベーションして「京都里山SDGsラボ ことす」を立ち上げられ、生ごみのバイオガス化施設の運用を目指すなど、持続可能な社会に向けた取り組みを精力的に進めておられます。


セカンドハーベスト京都の活動について、浅利さんは「自分ではできないけれど、非常に大事な活動なので力になりたいと思って参加しました」と語ってくださっています。その言葉のとおり、浅利さんは私たちにとって非常に心強い存在です。

5.編集後記
 

セカンドハーベスト京都はこの春から休眠預金等活用法(民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律)に基づく「中核フードバンク団体育成事業」の内定を受け京都府内のフードバンクをネットワークで結び、その中核機能を備えるべく人員の配備も含め準備してまいります。

他県で先行しているフードバンクのネットワークは国内屈指の取扱い量になっており、今後の食のネットワークを考えた際、京都府内でもネットワークの構築が重要な位置づけとなっていくと考えております。

「中核フードバンク団体基盤整備」として次の一歩を歩んでまいりますので引き続きご支援のほど宜しくお願い致します。  文責 澤田政明

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